[`evernote` not found]
Pocket

この記事は約 5 36 秒で読めます。

人間の体調不良の治療法として注目されている方法に、自然のチカラを利用した代替治療があります。

これに利用されるのは、漢方だったり、アロマ(精油)だったりするのですが、この方法は動物にも使えるものが多くあります。

しかしアロマを用いた療法に関しては、動物によってはかえって体調を崩してしまうこともあります。

その代表が、猫に対する「アロマの利用」です。

猫の肝臓と精油の関係

猫好きの人には、アロマが好きな人の割合が多いそうです。

何も知らなければ、猫と一緒にまったりしながらアロマを焚いてくつろぐ…なんて何だか素敵な時間の過ごし方に思えますよね。

しかし、実は猫と言うのは肝臓の機能が人間の肝臓の機能と異なるんですね。

この肝臓の機能の違いが、猫にとってアロマ(精油)が危険なものになる要因なのです。

肝臓と言うものは、その働きの1つに「解毒作用」というものがあります。

わかりやすい例では、人間にとってのアルコール(お酒)がありますね。

百薬の長と言われるお酒ですが、人間の身体にとっては良い事ばかりではないのはご存知ですよね。

そのアルコールの害を無毒化してくれるのが、肝臓なわけです。

しかし、近年の研究で、猫の肝臓にはこの解毒に必要な「グルクロン酸抱合」がないことがわかってきました。

これは、精油の成分の一部が、グルクロン酸抱合で分解することができないということを示しているのです。

有害な成分が分解できないということはつまり、解毒ができず、身体の中に毒物が滞留してしまうということ。

これでは本来良い作用をもっている精油であっても、猫の身体には負担が大きいものになってしまうのです。

ちなみに、猫ではありませんが、最近ペットとして人気のフェレットでも、グルクロン酸抱合の能力が弱いため、精油の毒性が身体にでやすいということが判明しています。

そもそも猫という動物は…

ペットとしての猫は、とても愛くるしい動物ですが、あの「トラ」や「ライオン」の親戚であるということは忘れてはならない事実です。

これは、猫が人間や犬と違い、完全肉食動物であるということを指しているのです。

ネコ科の動物と言うのは、肉を食べないと生きていけない動物だということ。

犬は肉を食べずとも長らえることは可能ですが、猫はそういうわけにはいかない身体の構造になっているのです。

完全肉食動物であるということは、グルクロン酸抱合の能力が低くなる要因の一つです。

猫はその進化の過程で、肉食だけでも大丈夫である身体の機能を獲得してきたのです。

ですから、猫にとって植物と言うのは、本当に「薬」程度にあれば良いもので、体調が悪い時の猫草程度で身体を保つことができるわけです。

しかしながら、精油と言うのは植物のチカラを凝縮したものであるので、その成分は猫にとっては有毒なものになるのです。

しかも精油の影響は身体に「溜まる」種類のものなので、日々使用されている精油の影響が身体に溜まり、ある日突然、激しい中毒症状を起こすことも考えられます。

猫に有害ではない精油ももちろんあるのですが、専門家のアドバイスがもらえないお店などでの精油の購入は、猫に危険なことも多いので気を付けてくださいね。

ここまで猫へのアロマ(精油)の危険性について、猫の身体の構造を中心にご紹介してきました。

ここからは、実際に精油による中毒を起こしてしまった猫の具体例を挙げつつ、さらに詳しい情報をご紹介します。

猫と精油の危険な関係~具体例~

猫に対する精油の危険性が疑われ始めたのは何とまだ最近のことで、1990年代初頭と言われています。

今からわずか20年ほど前の話なのですね。

精油の中でも人間には「万能」と言われている「ティートゥリー」が配合されたシャンプーやノミ対策の商品を使った猫たちが、使用後に次々と体調を悪化させるというケースが目立ち始めたのです。

これは米国での話で、この頃、米国ではナチュラル志向が高まっていたので、ペットにも「身体に良い自然派のものを使わせたい」という人が増えていたのですね。

それを受けて、精油配合の商品が多数展開されるようになったのですが、そうした商品が増えるにつれて、アメリカにある動物中毒事故管理センターには、ティートゥリーによる猫の中毒事例の報告が増えるようになったのです。

中毒事例を調査すると、そのほとんどが、ティートゥリーが高濃度で配合された商品を使った後だったということがわかり、これは精油の経皮吸収では?ということになりました。

そしてこうした報告や調査の結果、アメリカでは猫用シャンプーなどのティートゥリー配合比率を1%以下に、という勧告がなされました。

さらに特定の疾患をもつような猫や、肝臓がさらに未発達な子猫には、1%以下の配合でも、そうした商品は使わせるべきではないとされました。

この例は精油の経皮吸収による中毒と判断されます。この場合の具体的な中毒症状は運動失調や筋肉の震え、抑うつ状態、異常行動、嘔吐、めまい、市㏍ん、食欲の減退など本当に様々な症状が見られると言われています。

ティートゥリーでなければ安全?

今回の具体例はティートゥリーでしたが、何も猫にはティートゥリーが悪影響なだけではありません。

前編でも述べたように、猫にはそもそも精油を解毒できる構造が体内にありません。

ですから、ティートゥリー以外にも、精油を猫に使用するのは避けた方が良いのです。

現在では本当に多くの種類の精油が日本でも取り扱われていますし、雑貨店などでも比較的購入しやすい価格で売られていることも多いです。

上記のティートゥリーについては、アメリカでの報告以降アメリカの研究者が実際に猫への影響を実験していて、はっきりしていることも多いのですが、他の精油については全てが影響を明確にできているわけではないのです。

ただ、様々な種類がある精油のうち、猫に対してはフェノール類・ケトン類・ピネン・リモネンの4種が特に毒性が高いと言われているので、これらの成分を含むものは決して猫の身体に吸収されることを避けるべきです。

それぞれの成分が高いものの代表例

  • フェノール類:タイム・ホワイト、シナモン・リーフ、パチュリー
  • ケトン類:ローズマリー(ケモタイプ)、ペパーミント
  • リモネン:グレープフルーツ、ベルガモット、オレンジ・スイート
  • ピネン:ユーカリ、フランキンセンス、パイン

The following two tabs change content below.
管理人:アニマルクリニック.inc

管理人:アニマルクリニック.inc

このサイトでは愛するペットが病気になってしまった時にどうしたらいいのか、またペットが病気になった時の正しい対処法などを紹介しています。